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労災保険の請求手続について

  • 文責:所長 弁護士 古田裕佳
  • 最終更新日:2021年3月31日

1 労災保険の請求主体

労災保険の請求主体は、原則として、被災労働者本人または遺族になります。

労災保険給付(ただし葬祭料や職権による給付としての傷病給付除く)については、被災者本人または遺族が請求する規定となっており、被災者の勤務先の会社が請求主体として請求することはできません。

2 請求手続き

労災保険の請求手続は、請求人が、被災労働者の勤務先(事業場)を管轄する労働基準監督署長宛に、労災請求用紙や添付資料を提出することによって請求します。

3 会社が請求手続を代行する場合

実務上は、被災労働者が所属する会社や会社と契約する社会保険労務士が、請求手続を代行する場合も少なくないようです。

請求手続を代行するメリットとしては、請求用紙に労働保険番号を記入し、事業主の証明欄への記名押印を行うなど、会社やその社会保険労務士が労災請求用紙に記入を行ってくれることで、請求用紙の作成がスムーズになる点が指摘されています。

他方で、会社に労災請求手続を代行してもらうことのデメリットとしては、会社が請求用紙を労基署へ提出する場合に、被災状況に関する事情について、事実と異なる事項が記載されてしまう点があります。

例えば、被災状況について事実と異なる記載がされた結果、労災保険給付の要件である業務起因性が認められない結果に至る可能性もあります。

また、事実と異なる事情が記載された労災請求用紙の記載内容が、会社の過失や責任を否定する証拠として利用される、あるいは、被災労働者の過失を基礎づける証拠として利用されるなど、民事損害賠償請求において不利に働く証拠となる可能性もあります。

4 被災者は被災直後からすぐに弁護士に相談を

被害者は、被災直後は被災のショックで冷静な判断ができず、事実と異なる書類を作成してしまう場合もあるようです。

しかし、上述のとおり、事実と異なる書類が作成された結果、労災保険給付や民事損害賠償において不利に働く可能性があります。

そのため、被災者は、被災直後から、弁護士のアドバイスを受けることをお勧めします。

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