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Q&A
会社から見舞金をもらったのですが、労災の給付に影響はありますか?
1 労災保険と損害賠償の調整
労災事故の発生について、使用者に安全配慮義務違反等が認められる場合、使用者は被災労働者に対して民法上の損賠賠償責任を負います。
この場合、被災労働者は、労災の保険給付と使用者の損賠賠償金という2つの填補の方法があり、どちらを先行するか自由に選択できます。
しかし、損害賠償金を受け取った後に、同一の事由による労災の保険給付を受け取ることができてしまうと、損害が二重に填補されてしまうという不都合が生じます。
そこで、労災保険の給付と同一の事由による損害賠償金を先に受け取ったときには、その価格の限度で労災保険の給付をしないとされています(労災保険法附則第64条2項)。
2 見舞い金が支給調整の対象となるか
見舞金を先行して受け取った場合に、労災保険との支給調整がなされるか問題となります。
この点、労災保険と損害賠償との支給調整に関する基準が定められており、「単なる見舞い金等民事損害賠償の性質をもたないものについては、労使保険給付の支給調整を行わない。」とあります。
したがって、単なる見舞い金であることを明らかにして会社から受け取るのであれば、その後の労災の保険給付に影響は生じません。
3 会社からの上積み補償が支給調整の対象となるか
会社によっては就業規則や労働協約により、労災の保険給付に加えて一定額の上積みの補償制度を定めていることがあります(これを「上積み補償」といいます。)
上積み補償が見舞金の名目で交付されることがあります。
支給調整の基準によれば、「労災保険給付が将来にわたり支給されることを前提としてこれに上積みして支払われる示談金及び和解金については、労災保険給付の支給調整は行わない。」とあります。
したがって、このような上積み補償としての見舞金であれば、その後の労災の保険給付に影響は生じません。
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